鬼瓦の鬼が狛犬?獅子?で、とことこ動く。
動いてるところをうっかり見てしまって、懐かれる。
茂る草木に覆われた蔵。主人は長らく訪れていないらしい。人里離れた山の中……というほどではないが、車がないと訪れるのは大変だろう距離だ。「ずっと誰も来なくて寂しかったんだ」と大きな犬は言う。
この子の主人は今どうしているんだろう。気になって調べてみたら、もう亡くなっているらしい。血縁は少年一人。
彼の所へ行ってみるかい?
聞いてみるものの、犬は何やら過去の思い出を呟きながら小さくなって、私の懐で眠ってしまった。