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破れた手紙(途中で力尽きた)

 破れた手紙が見つかった。とても丁寧な文字が行儀よく並んで、書いた人の几帳面さが表れていたが、便箋の下半分は行方不明だ。

 文脈からして恋文だ。絶対この後、愛の告白が綴られているはずだ。

 出歯亀、お節介、好奇心。ゴミ箱の中にも見つからない。どうしよう、もうすぐチャイムが鳴る。

 キンコン授業が始まった。先生ゴメンね、難しい数式の並びより、こっちの問題の方がずっと魅力的。

 木の陰、物置、吹き溜まり。飼育舎のヤギも知らん顔。

 キンコン授業の終わりを告げて、帰る制服、人の群れ。

「捨てられたのかな」

「飛ばされたんだよ」

 顔を赤く、耳まで染めた君が言う。手には私が持つ便箋の片割れ。

「……読んだのか」

「読んだよ」