【くるろぐ】あなたは死なないものだと思っていました【四葩】

 目を開ければ、橙色に輝く黒髪。口の端をきゅっと結んで、感情を抑えようとしている少女。

「……蜜希が、言ってました。泣きたいときは泣いていいんだよって。無理しないで……って」

「私は、そんなこと言っていられない。《神様》としての立場があるの、に……」

 溢れ出した涙が肌を伝い、服を濡らす。

「蜜希……」

 少女は己の無力を悔いた。《神様》と呼ばれながら身近な人一人護れなかったと泣いた。

 少年は初めて見た《神様》の涙に驚きはしたが、泣き顔すら綺麗で、心の中で何かが小さく音をたてた気がした。それがきっかけ。

「僕じゃ蜜希にはなれないけれど、貴女の、力になりたいです」

「っ……待って。《私》に対してその申し出は──」

 直後、光の鎖が少年の首に絡み付いた。もう、後戻りは出来ないと悟った。

 《神様》が新たな《護衛番》の名前を呼ぶ。

「四葩──蜜希に代わって、私に仇為す者を始末しなさい。貴方が《護衛番》である限り、私も貴方を護りましょう」

 こうして蜜希の置き土産となった少年は、山神夏子の四代目護衛番・嶋津四葩として新たな人生を歩み出すこととなる。

………と、ここまで書いて、

ノートに書いていた話を読み返して、

繋がらない事に気づき膝をついた…(´ω`;)