2016-09-14から1日間の記事一覧

くるろぐ。if よひら

朽ちた神社に転がる狐面。 黒い着物を纏うように紫陽花が枝を伸ばしていた。 その茂みの中、微かに動くものがある。 元々人だったそれは、幸せそうに微笑んで、完全に動かなくなった。 彼は今もそこで生きている。

くるろぐ。if 久留山湊

くるろぐ。仕事屋の話がね、それぞれの走馬燈的なんやったらって考えてた。 緑に呑まれ、人に捨てられた町。電気も通らなくなった暗い部屋で、薄汚れたぬいぐるみを抱いて家族の記憶をなぞる青年。優しい声で弟と妹の名前を呼ぶ。その存在すら幻想。